教室構成員の紹介

教室構成員一覧 舩越 慶

大学病院と臨床指定研修病院の両方での研修を体験して思うこと

舩越 慶 はじめに
 皆様,はじめまして.私は,平成12年に三重大学を卒業,亀田総合病院での初期研修と後期研修を経て,卒後5年目に本学神経内科に入局しました.当初の動機は神経免疫性疾患,特にギラン・バレー症候群の病態を解明したいと思ったからです.また臨床へのシフトが可能な点も魅力に感じました.

市中病院での研修
 神経内科疾患のうち、特に脳血管障害など高頻度の疾患がたくさん経験できること、神経救急の症例が多いこと、大学病院より他科との垣根が低く連携しやすいことなどが挙げられると思います。

大学病院での研修
 大学病院での1日はこのような流れで過ぎていきます・・・9時すぎに病棟へ.受け持ち患者様の温度版と採血データを電子カルテでチェックしてから,回診.10時半ごろ回診終了.カルテを記載し,当日の追加指示を看護師へ伝える.その後,腰椎穿刺やIVH挿入などの手技を行なう予定であったが,病室に行き,準備に取り掛かる・・・ 
 研修の特徴としては、変性疾患など希少な疾患が集まること、症例検討会や研究会・学会発表などの機会が多いため、症例を深く掘り下げることができること、研究の機会が与えられることなどがあります。

大学での研究
 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)の病態解明,ギラン・バレー,フィッシャー症候群合併例の臨床像,インフルエンザワクチン接種に伴うギラン・バレー症候群の発症リスクなど多くの研究に携わり,いくつかは論文で報告することができました.私は、それまで研究の経験はゼロでした。にもかかわらず、指導医に懇切丁寧に指導していただき,その結果,研究成果を英語原著論文として発表できました.
 研究とは,孤独な作業と思います.共同で行なう研究でも,その中で個別の課題に取り組むのは個人であり,自分で手を動かして実行しなければ研究が前に進みません.したがって,自分で研究を計画し,実行するという主体性が身につきます.また,研究を進める際には,絶えず実験結果が合理的なものかを基本的知識に立ち戻って検証する必要があります.すなわち,研究を行なうことで,物事の本質を見極める能力が養われるのではないでしょうか.

双方での研修の比較
 よく言われていることとして,患者さんの受け持ち人数が多ければ,病棟管理の能力は向上しますが,各症例を掘り下げ,文献的考察を加えて学ぶことは時間的・体力的に難しくなります.逆に受け持つ人数が少なければ,一人ひとりの患者さんをより多面的に診ることができ,より立体的な知識を血肉とすることが出来ます.患者さんを治療していて疑問に思うことがあれば,病態を解明し,根本的な治療法の開発につながる研究にも目を向けるような,大局的な見方ができるようになります.

最後に
 皆様は現在,どんな研修を受けたいと考えていますか.当科での研修に興味を持たれましたら,ぜひ,ご連絡ください.心よりお待ちしております.


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