当科の歴史と現状
当講座の歴史は本学設立時の1973年に遡ります.初代教授は故加瀬正夫名誉教授でいらっしゃいましたが,まもなく片山宗一名誉教授が主宰されるようになりました.わが国における神経内科学自体の歴史が浅いこともあり,おそらく日本ではかなり歴史のある教室であるといえます.しかし,開講時は教室員わずか3名でスタートし,苦労の連続でしたが,教室員の充足とともに診療,研究,教育に次第に業績が増し神経内科教室としての陣容が着々と整っていきました.研究面では,睡眠ポリグラフや脳波など主に神経生理学的な研究が中心に行われ数々の成果が得られ,日本睡眠学会総会,日本神経治療学会総会を開催するまでに至りました.診療においても地域の中核病院としての役割を果たすようになり,外来患者,入院患者ともに年々増加の一途を辿っています.1996年4月より講座を主宰していた平田幸一(名誉教授)が2020年3月に退官となり,4月より鈴木圭輔が講座主宰の新たな体制となりました.現在,獨協医科大学卒業生だけでなく,日本大学,三重大学,滋賀医科大学,埼玉医科大学,東京女子医科大学,東海大学,福島県立医科大学などの出身者が一丸となって,教室の伝統を守りつつ新世紀に相応しい教室作りを目指しています. 2005年,当科助教授山崎 薫が東京医大霞ヶ浦病院神経内科(現・東京医大茨城医療センター)の教授に就任し,重要な拠点関連病院として茨城県の神経内科診療の向上に努めています.2011年当科准教授宮本智之が新設された獨協医科大学越谷病院(現・獨協医大埼玉医療センター)の教授として赴任し,埼玉県での神経疾患診療の重要拠点となっております.2014年からは同じく准教授の宮本雅之が看護学部教授,2018年10月からは竹川英宏が大学病院脳卒中センター教授,2019年からは辰元宗人が大学病院医療安全推進センター(医療安全管理部門)教授,2020年10月からは国分則人が教授となり,シンガポール大学元教授の結城伸泰先生を含め当科で研鑽を積んだものが7名教授となり活躍しています.
学会活動としては2001年の国際脳磁図脳電図学会(ISBET)会長,2005年日本睡眠学会副会長、2006年日本神経疾患医療福祉従事者学会会長,2007年日本臨床神経生理学会のほか,2009年には日本神経救急学会,日本頭痛学会,2013年薬物脳波学会を会長として主催したほか,2014年認知神経学会を主催.2015年には日本睡眠学会と日本栓子検出と治療学会を主催しました.さらに第36回日本神経治療学会学術集会を2018年11月 23日(金)・24日(土)・25日(日)に,東京有明の東京ファッションタウン(TFT)ホールで開催させていただきました.